どうも、あくたです。
「お金のために働き続けるのが辛い」「なんのために働いているんだろう」と悩んでいる方向けに、FIREの考え方を共有させていただき、少しでもお役に立てたらと思います。
働きたくない人必見!と書きつつ、働き続けたい人も知っておいて損はない考え方なので是非ご覧ください。
*本記事はFIREムーブメントを理解していただくことが目的で、投資を勧めることが目的ではありません。
FIREとは
FIRE(ファイア)とは、Financial Independence / Retire Earlyの略で、「経済的自立(Financial Independence)」と「早期退職(Retire Early)」の2つの意味を持つ言葉です。
FIRE自体は概念で、実際に経済的自立や早期退職を目指す活動を「FIREムーブメント」と呼びます。
元々は1992年のベストセラー本「Your Money or Your Life 」と2010年の「Early Retirement Extreme」に由来しており、それがFIREムーブメントの「投資収入」×「最低限の生活」という基礎的な考えに繋がりました。
FIREでいう「経済的自立」と「早期退職」は下記のように捉えられています。
①経済的自立:お金のために働く必要がなくなる状態
②早期退職:もう2度と働かなくてもいい状態
ここでは、それぞれについての考え方をご紹介します。
①「経済的自立」とは
「何のために働いているんだろう」
ふと、こんなことを思ったことがある人はいませんか?
「お金持ちになって贅沢な暮らしがしたいから」と願う人もいるかもしれませんが、実際には「生きるため」「食べるため」に働いている人がほとんどです。(私含め)
FIREムーブメントの1つ目の概念「経済的自立(=Financial Independence)」とは、基本的には、お金のために働かなくてもいい状態を意味します。
つまり働いていたとしても、それはお金のためではなく自己成長や何かの別の目的を達成するためになります。
経済的に自立することは非日常的であると思われがちですが、生き方が多様化しているこの世の中でお金のために働かなくなる人が少数ながら増えてきているのは事実です。
経済的自立を達成する主な手段として「投資」があります。
目安となる投資金額は「年間の支出の25倍」とよく言われております。
つまり、年間200万円で生活する人がいるとしたら、最低でも5,000万円(200万円の25倍)の投資が必要ということです。
でも、どうして25倍なのでしょうか。
4%ルール
投資で年間支出の25倍が必要と言われる所以は、4%ルールから来ています。
4%ルールとは米国のS&P500(日本でいう日経平均株価のようなもの)の年平均約7%のパフォーマンスからインフレ率約3%を差し引いて計算されたものです。
つまり、投資パフォーマンスが年率7%ではなく8%、9%で運用できれば5%、6%ルールとなり、その分用意すべき金融資産は20倍、16.6倍と少なくなるわけです。
これはインフレ率にも同様のことが言え、インフレ率が高くなれば金融資産はよりたくさん用意しなければならないし、日本のように低ければ少なくて済みます。
②「早期退職」とは
一般的に、退職と聞くと日本では定年(60代以降)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
FIREムーブメントの「早期退職(=Retire Early)」では、キャリアを辞めることにフォーカスしており、50代、40代、またはそれ以前に引退することで「早期退職」を実現します。
ただし、経済的に自立したからといって必ずしも早期に退職する必要はありません。
経済的自立を実現した多くの人々は、その後、ビジネスを構築し続けたり、別のより良いキャリアに切り替えることで人生を充実させています。
FIREを実現するための3ステップ
経済的自立、早期退職、またはその両方を実現するための方法をご紹介します。
それぞれの実現のためには、3つのシンプルなステップを踏む必要があります。
STEP① 支出を削減する
STEP② 収入を増やす
STEP③ 投資を行う
プロセスの各ステップについて簡単に解説してきます。
STEP① 支出を削減する
支出の削減は、早く経済的自立に到達するのに最も有効的手段の1つです。
支出を削減するメリットは2つあります。
①金融資産目標を下げられる
②投資に回せるお金が増える
①金融資産の目標金額を下げられる
支出を減らすことによる1つ目のメリットは、経済的自立のために必要な金融資産の目標金額を下げられることです。
どういうことか簡単に説明します。
先述の通り、仮に年間200万円の支出をベンチマークに資産形成を目指した場合、5,000万円を投資しなければならないとお伝えしました。(4%ルール)
しかし、支出を月1万円抑え、年12万円削減出来れば、年間支出は188万円となり4,700万円の金融資産で目標を達成することができます。
計算は非常にシンプルです。
200万円 × 25倍 = 5,000万円
188万円 x 25倍 = 4,700万円
つまり、支出を削減することが出来れば、経済的自立に必要な金融資産の目標金額を下げることができ、より早い段階でFIREを実現可能になります。
契約中のサブスクリプションサービスの再検討や、服の買い替え頻度を改めるなど不要な支出の見直しを行うことができれば、それは自分がFIREに一歩近づいたことを意味します。
②投資に回せるお金が増える
支出を減らすことで得られるもう一つの大きなメリットは、毎月の投資に使えるお金が増えることです。
投資に使える金額が増えれば、資産形成を加速させることができ、経済的な自立をより早く実現することが可能です。
ただし、極端な支出削減は禁物です。
まずは自分が大切にしていない支出からカットしていき、生活をより楽にしたり、より楽しくするための支出は残しておくことも考えてみましょう。
支出を削りすぎて生活が惨めなものになってしまうと、本末転倒です。
STEP② 収入を増やす
支出を減らすことは手っ取り早いものですが、より早く経済的自立を実現するためには、収入を増やすことも必要です。
サラリーマンの人は出世や残業でも収入を増やせますが、投資銀行やコンサルティング企業で働いていない限り、本業の収入には限界があります。
そのため私のような普通のサラリーマンは数千円からでも副業を始め、本業収入と副業収入の組み合わせで資産形成を行うことがベストです。
ここで言う副業は日雇いバイトとかではなく、稼げるまでに時間はかかるが累乗的に収入が上がるような副業を目指すと尚良いでしょう。
STEP③ 投資を行う
投資は早期にFIREを達成する上で必要不可欠なステップです。
具体的に、支出の削減と収入の増加によって発生した余剰資金を投資に回していくことで資産形成していきます。
投資には株式、投資信託、不動産、REIT、債権、仮想通貨、金、FX、他など様々な手段がありますが、FIREを目指す人の多くはETF(上場投資信託)と個別銘柄のミックスで資産形成を行っています。
以前は国債が安全かつリターンもそこそこ見込める金融商品として人気がありましたが、近年の利率の引き下げにより4%ルールが既に効かなくなっています。
そこで、最近では米国の高配当ETFや個別銘柄が好まれる傾向にあるようです。
理由はシンプルで、下記のグラフのように米国のS&P500は長期的に見て右肩上がりの成長をしており、年間平均で7%前後のリターンが見込めると言われているためです。
(30年間のS&P500指数の推移 出典:Yahoo! Finance)
ただし、年平均7%といっても下記のグラフが示すように20%成長する年もあれば、2008年の金融危機の時のように40%パフォーマンスが悪化する年もあり、必ず毎年7%ずつ成長するというわけではない点をご留意ください。
(30年間のS&P500年間リターン 出典:Microtrends.net)
ETFや個別銘柄に投資する際は、5年間もしくは20年間非課税で運用可能なNISAやつみたてNISAもポートフォリオ形成の1つ手段として考慮に入れておくのも良いでしょう。
但し、NISAの非課税枠は120万円/年で5年間、つみたてNISAは40万円/年で20年間なので、非課税枠の上限を超えてしまう投資は別途行う必要があります。
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また、早期にFIREを目指す人にとって確定拠出年金(iDeCo)は足かせにしかならないのでオススメしません。
こちらの理由はいつかまた別の記事で解説します。
今すぐ行動を起こす
経済的自立の道を歩み始めるために、大きなライフスタイルの変化にコミットする必要はありません。
極端な支出の削減はより早く「経済的自立」を実現できるかもしれませんが、持続可能な範囲で小さな変化を積み重ねていくほうが長期的により良い結果につながる可能性が高くなります。
この記事を読んでスタートを切りたいと思った方は、まずは手持ちの純資産、収入、支出の確認から始めるとよいでしょう。
必ず目標を数値化し、定期的に進捗を確認し、経済的自立を追求すれば、早期退職も最終的には実現できるかもしれません。